地域振興/産業振興/リサーチ・マーケティング/事業プロデュース・マネジメント 株式会社アール・ピー・アイ

事業内容

産業・企業調査

「東京の中小企業の現状(製造業/サービス産業/流通産業)」調査委託

都内中小企業の経営動向を定点観測

東京都では毎年都内中小企業の経営状況について、3つの業種(製造業、サービス産業、流通産業)を3年毎にローリングしながら定点観測しています。本調査は何か特定の政策課題を解決するために調査しているのではなく、定期的に観察することで、都内事業者の状況の変化にいち早く気づき、政策に反映させるために行うもので、都内区市町村の産業政策担当者などに配布されています。
こうした毎年定期的に中小企業に対して大規模な調査を行っている自治体は、中小企業庁の中小企業白書など国を除けば、おそらく東京都だけの取り組みと思われます。RPIは調査仮説の立案とこれに基づく調査票の設計、配布・回収・集計及び分析業務の一連の作業を担当しています。

アンケート10,000社+ヒアリング調査40社

調査方法は毎年定型化されており、総務省の保有する中小企業データベースより無作為抽出した対象業種の事業所10,000社に対し、郵送配布・郵送回収によるアンケートと、回収票の中から40社を選び、ヒアリング調査を行います。
また調査に際して、毎年その時期に社会問題となっている事象などをテーマに掲げ、調査に取り組んでいます。これまで取り上げたテーマとしては、2018年度の製造業編では、「都内中小製造業における競争力の源泉」と「イノベーションへの取組」について調査しました。2017年度の流通産業編では、「事業承継」、「物流活動の状況」、「事業の採算性と経営」に着目し分析を行いました。2016年度のサービス産業編は生産性向上に注目が集まるなかで、「ITの利活用」、「海外展開」、「多様な人材活用」に着目し分析を行いました。2015年度の製造業編は「外部環境変化に対応した持続的経営」、「経営戦略と持続的経営」に注目し、それぞれ高業績事業所とそうでない事業所では、どのような違いがあるか分析しました。2013年度のサービス産業編は「経営理念」、「人材育成」、「定着率」に注目し、それぞれ高業績事業所とそうでない事業所では、どのような違いがあるか分析しました。
なお、年々製造業者よりも消費者に近い流通業者が、製造業者に代わって委託生産により自社製品をもつようになったり、自社工場を持たない製造業など、日本産業分類の枠組みに収まらない事業者も増えてきています。また、自宅の一室でも起業ができるようになると、ベンチャー企業の補足が難しい状況もあり、これからのこうした企業調査の課題といえます。

後継者問題や生産性の向上など、中小企業を取り巻く課題解決に向けた政策へ

業種を問わず共通して指摘されているのは、経営者の高齢化です。小売業などは経営者の年齢層のボリュームゾーンが、平均で70代です。同時に後継者が不在の事業所も多く、また一般には事業承継には平均して10年の年月を要するという報告書もあることから、近年囁かれている大廃業時代が東京都内でも発生することが、数字の上からも確実と思われます。
しかし、中には特殊な高い技術力をもっている場合や特定商圏を抑えている場合などは、事業所の規模は小規模であっても残す価値があると判断されれば、中小企業のいわゆるM&Aが拡大するかもしれませんし、件数は少数ですが、ヒアリング調査先の食品加工メーカーから、実際にそうした事例をうかがうこともできました。このように、アンケートによる定量情報と、ヒアリング調査による定性情報から、新しい変化の兆しを感じ取ることができます。
過去の調査報告書は東京都産業労働局のHPからダウンロードできるほか、都内図書館でもご覧になれます。

工場

商店街

「東京の中小企業の現状(製造業/サービス業/流通産業)」調査委託

  • 期間

    H25年度(2013年度)、H27年度(2015年度)~H30年度(2018年度)

  • クライアント

    東京都