人材育成・体制づくり・DMO
隠岐受入体制強化事業
旅行形態の変化への対応の遅れによる観光客の減少
島根県本土から船で3時間ほどの隠岐地域は、1970年代の離島ブームの頃から多くの観光客を受け入れてきました。しかし、近年は、平成10年をピークに減少の一途をたどっている状況にあります。その原因としては、旅行形態が団体型から個人型へ変化している状況への対応の遅れ、既存資源に頼る物見遊山型の観光を提供してきたことによる観光地としての魅力づくりの遅れなどが挙げられます。また、団体ツアー客対応を主としてきたことは、ホスピタリティや地域間連携の意識の弱さにつながり、受入体制としての熟度が低いために観光客の満足度が低い結果となっており、何らかの対策が求められる状況にありました。
自らの力で解決する機運の醸成
本事業では、地域が有する具体的な課題解決に向け、「宿泊施設の受入体制強化」「着地型商品の整備による周遊促進」「“宿食”の魅力向上に向けた地域ぐるみの体制整備」の3点を主な目的としました。
商流や物流の限界、これまでの慣習等、障害となる要因が重なる中で、主だった観光産業の当事者と協議を重ね、まずは観光客の意向とのミスマッチを改善していくことから進めました。結果的に、当事者意識が向上し、自らの力で課題を解決していくまでになったことが、大きな成果となりました。
地域の実態に合った交流人口政策
受け入れ体制の強化は、着手したばかりであり、一部の当事者のみとの協議のため、島全体の機運として醸成されたかとまでは言い難いところがあります。今後、地域に広がっていくことで、観光客の満足度向上につながるものと考えます。
一方で、受け入れの宿泊施設やサービス提供のプレーヤーが高齢化等により減少傾向にあるのも事実です。交流人口の拡大は、地域のサービス提供のプレーヤーとの連携が必須であり、バランスを考えた政策を講じていくことが求められています。
隠岐受入体制強化事業
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期間
H26年度(2014年度)~H28年度(2016年度)
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クライアント
隠岐観光協会