地域振興/産業振興/リサーチ・マーケティング/事業プロデュース・マネジメント 株式会社アール・ピー・アイ

事業内容

就業支援・人材育成

新規漁業就業者確保育成支援事業

漁業就業人口の減少

漁業就業者数は年々減少傾向にあります。昭和28年の約79万人をピークに減少が始まり、平成10年には約28万人、平成20年には約22万人、平成29年で約15万人まで減少しています。また高齢化も進んでおり、平成29年では、65歳以上が4割弱、55歳以上だと約6割にのぼります。そこで本事業は、漁業への新規就業を促進させ、漁師になる人を増やすことを目的として、漁業就業情報等の情報発信や、漁業就業への理解を深める漁業就業セミナーの開催、受入漁業者とのマッチングイベント(漁業就業支援フェア)の開催などを行うものです。

新たに漁師になる人のための取組み

この事業が始まった平成14年ごろは、業界としては、漁業就業者の高齢化や減少、担い手不足が課題となっていました。しかし、漁師になりたい、漁業という職業に興味があるという人はあまり多くありませんでした。さらには、漁業者側も血縁関係にない人を担い手として受け入れることに抵抗を感じる地域が多くありました。そのため、漁業就業者を確保するための取組みとして、「漁業就業に関するハードルを下げること」と「血縁関係にない人を担い手として受け入れるハードルを下げること」の2つの取組みが必要でした。
そこで、私たちは、漁業という職業を知ってもらうために、ホームページ「漁師.jp」を立ち上げ、漁業就業に関する様々な情報発信を始めました。漁業の種類や仕事内容、漁師のなり方、先輩漁師のインタビュー記事・動画、就業情報、支援情報など、漁師になりたい人にとってのプラットホームとなるようなサイトを運営しています。また、漁業就業セミナーでは、漁業の仕事の種類や漁師のなり方などについて情報提供するとともに、現役漁師を招き、漁師になったきっかけや仕事内容、漁師生活について語ってもらう座学講習、実際の漁を体験できる体験講習なども実施しました。そして、東京、大阪、福岡を中心に年1~2回程度開催する漁業就業支援フェア「漁師の仕事!まるごとイベント」では、漁師になりたい人、漁業に興味がある人と、新たな担い手を募集している漁協・漁業会社との就業マッチングを行い、毎年、数多くの人が漁師への道の第一歩を踏み出しています。
一方、漁業者側も血縁関係にない人を担い手として受け入れ地域はあまりありませんでした。そこで、実際に担い手を受け入れた漁業者へのインタビュー記事・動画の発信や、受け入れのポイントや心構えなどをまとめた「受け入れマニュアル」等を作成し、広く普及啓発に努めました。その結果、平成14年の漁業就業支援フェアでは、ごく限られた地域、漁業種類の募集でしたが、現在では北海道から沖縄まで全国各地の漁協・漁業者が担い手の募集を行っており、漁業種類も増えました。

継続した取組みの重要性

これまで継続して事業に取り組んだ結果、新たに漁業の担い手になる人も増えてきました。最近の漁業就業支援フェアでは、若い人の来場も増えており、高校生や大学生も来場するようになりました。また、女性の来場も増えています。現在では、毎年約2,000人が新たな漁師になっています(平成29年水産白書より)。
しかし、漁業就業者数は、下げ幅は減ってきているものの、減少は続いています。平成29年の水産白書によると、今後漁業就業者数は、2028年に約10万3千人、2048年に約7万3千人、2068年に約7万人になると試算されています(水産庁試算)。日本から漁師がいなくならないよう、継続して取組みを行っていきます。

就業支援フェアでのセミナーの様子

体験講習の様子(定置網漁業)

新規漁業就業者確保育成支援事業等

  • 期間

    H15年度(2003年度)~H30年度(2018年度)

  • クライアント

    一般社団法人大日本水産会、水産庁、一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター