地域振興/産業振興/リサーチ・マーケティング/事業プロデュース・マネジメント 株式会社アール・ピー・アイ

事業内容

観光マーケティング・旅行商品開発

地域資源発掘型実証プログラム事業「神津島百観音ツアー」

新たな観光コンテンツの開発

現在の観光は従来の〝観光業〟の枠組みを超えて、地域全体の活性化に寄与する産業として非常に重要な役割を担っています。他方、日本の観光地の多くは、季節による集客変動、エリア内の集客力の偏りなどの問題を抱えており、受入体制や収益構造の強化が課題となっています。とくに、通年での集客、エリア内の周遊を促すため、全国各地で新たな観光コンテンツの開発、商品・プログラムの開発に取り組んでいます。
本事業では、東京都の離島・神津島を舞台として、マリンレジャーでにぎわう夏季以外の集客を強化するため、これまで注目していなかった地域資源を活用して新たな観光コンテンツの開発に取り組むとともに、マーケティング発想で観光客に魅力あるプログラムづくり、受入体制づくりを行いました。

〝ストーリー〟で地域の当たり前の風景、暮らしを魅力に変える

本事業では、島にある3カ所の史跡「百観音」を中心に、地域住民の参画のもとで活用可能な地域資源の掘り起こしと再構築に取り組み、ターゲットを意識したストーリーづくり、ターゲットに訴求しやすいプログラムづくりの工夫を行いました。「百観音」は江戸時代から島民の信仰の対象となってきた史跡で、島内にある3カ所のお堂(庵屋堂・観音堂・秩父堂)の石碑を参拝することで百カ所の霊場めぐりをしたことと同等とみなすとされるもので、大切にされてきました。しかし、一見するだけでは地味な印象が強いため、そのままでは観光資源とはなりにくく活用されていませんでした。このため、首都圏市場の観光ニーズや神津島の観光資源への関心度に関するアンケート、全国の史跡や聖地巡礼等の事例調査をもとに活用方策を検討するとともに、地域住民とのワークショップを通じてツアープログラムの設計を行い、その成果として神津百観音を中心テーマとする1泊2日のモニターツアーを企画・実施しました。

〝島散歩〟という新たな楽しみ方の提案

本事業を通じて、新たな観光コンテンツとして百観音が島内で認知されるとともに、トレッキングツアーとして組み込まれるなど徐々に普及・定着しつつあります。また本事業を契機に、集落内の散策や島内各地にある神社や道祖神などもコンテンツとして取り入れられるようになっており、地域の当たり前の風景や暮らしも観光客にとって魅力あるコンテンツとなり得るという発想のもとで、新たな楽しみの提案が行われています。

百観音は小高い山や丘の上にあるため、トレッキングとしての楽しみ方を検討しました

観光協会では案内板やパンフレットを整備し、コンテンツとしてのブラッシュアップを図っています

地域資源発掘型実証プログラム事業「神津島百観音ツアー」実施委託業務

  • 期間

    H28年度(2016年度)

  • クライアント

    東京都