地域ブランド化
「いわき食のブランド化事業」による地域ブランド商品開発等事業
加工技術・料理方法も地域資源として活用
福島県いわき市では、東日本大震災により水産物や農作物が甚大な被害を受け、生産者・漁師だけでなく、加工事業者や飲食店・観光施設など、地域経済に幅広い影響がありました。そのような状況のなかで、生産量が日本一であったかまぼこをはじめ、従来からの加工技術(干物等)や、料理方法(あんこう鍋(どぶ汁)、うに貝焼き等)を途絶えさせないよう、他の産地の原料等も活用して加工食品や料理を提供している水産加工事業者等が多く存在することから、本事業では、市内の加工技術や料理方法も地域資源と捉えることとしました。それらの技術や料理方法によって「食」の価値向上を図るとともに、食の安全・安心確保のために生産から小売販売まで一体的に取り組むことのできる「いわき食のバリューチェーン(フードチェーン)」を形成していくことを発展課題としました。
意欲ある事業者と「1.5次素材」の開発・トライアル
実施内容としては、まず、産学官民との意見交換や市内外へのアンケート調査等を行い、課題抽出やアクションプランの策定を行いました。特に、市内の食品関連事業者を対象としたヒアリング調査等の結果から、地域資源を絞り込み、市内で人気の食材である「トマト」や「カツオ」を活用した「1.5次素材」を開発することにしました。
「1.5次素材」とは、生のままの素材ではなく、飲食店や家庭で調理しやすいように、シンプルな加工をした食材で、例えば、トマトは「セミドライ」、カツオは「フレーク」などに加工した商品を指します。意欲のある市内の食品事業者が、それぞれ自社の加工技術等を活かし、専門家のアドバイスを受けながら商品・試作品をつくり、首都圏でのテストマーケティングや市内での試食会を行いました。
さらには、食品事業者を対象とした食の安全対策セミナーや現地調査を行うとともに、いわきの「食」のブランド化に向けた推進体制についても検討を重ねました。
市や関係団体等との連携
いわき商工会議所が主体となって行ってきた上記の取り組みについて、いわき市やいわき観光まちづくりビューローと協議がなされ、それぞれが取り組む事業が重なる部分もあることから、本事業をきっかけに、今後は連携して行うこととなりました。
なかでも、いわき観光まちづくりビューローは、地域商社としての機能も担い、複数の事業者の商品を組み合わせ、いわきらしいセット商品の販売に力を入れています。それらの商品のなかには、いわき商工会議所の取り組みで支援した事業者だけでなく、それ以前にいわき観光まちづくりビューローの取り組みで支援した複数の事業者による商品が含まれ、これらの意欲ある事業者のサポートを継続して行っています。
RPIは、このように自治体を中心とした体制づくりから、民間事業者へのサポート、テストマーケティングの実施まで、一連の取り組みに対する実績・ノウハウを有しています。
いわき地域ブランド化アクションプラン作成基礎調査~
「いわき食のブランド化事業」による地域ブランド商品開発等事業
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期間
H26年度(2014年度)~H29年度(2017年度)
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クライアント
いわき商工会議所